小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

20のカテゴリーから20選! ② 経済小説・雑記編

 

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします m(_ _)m

 

 さて、自らのブログを振り返る(番宣?)コーナーの後編は、経済小説7くくりと、雑記3くくりから取り上げます。

 なお取り上げる作品は、一番好きな「小説」ではなく、「書評」を基準に選んでいます。

 

 

11 城山三郎清水一行 経済小説10&10 

  1971年、三菱重工社長在職中に亡くなった牧田與一郎の物語。「野武士」のように三菱の風土を変えて行ったエネルギーは、その後の会社の進路も含めて毀誉褒貶がありますが、紙面から溢れ出るほどの迫力でした。そして本作品のブログを書く時に調べる過程で、牧田の子息の消息を知って慄然としました。

 次点は「1 男子の本懐」。暗殺された財政家の物語ですが、投稿した時、安倍元首相が銃撃されました。

 

12 高杉良 エールから呪縛への20選 

  大学生の時に読んだ作品で、社会人になるとこんなことに巻き込まれるのかと、ゾッとしたもの。しかし本作品の主人公は理不尽な圧力に屈しない戦いを行ない、自分の能力を高める必要性を感じました。こちらも今回の書評作成の際に主人公の後日談を知り、深く感じ入りました。

 次点は「10 会社蘇生」。大型倒産がテーマですが、その後のバブル崩壊で、現実は小説を凌駕しました。

 

13 経済小説(製造・建設・エネルギー)20選 

  東日本大震災で発生した原発事故を描いた作品。主人公が入社してからの生き様と「その後」に長く紙面を取っています。そのため、主人公が「あの事故」にどう立ち向かったかを客観的に描かれているのに、行間に溢れるばかりの哀切を感じ、その思いを書評に記したい気持ちが抑えきれませんでした。

 次点は「9 空洞産業」。産業空洞化は、付加価値が生まれない現代の「モノヅクリ」に続いています。

 

14 経済小説(電機・IT業界)20選 

  小説というより自叙伝ですが、20世紀の大半にわたり君臨し、その力は国家を凌駕したと言われるIBM。それが「高転びに落ちて」現在は見る影もありません。ブログで触れませんでしたが、IBM・PCの開発物語「Blue Magic」も、当時は感銘を受けて読んだもの。企業の栄枯盛衰を感じました。

 次点は「19 家電の神様」。「町の電気屋さん」の物語から、大本営参謀の逸話に思いが飛びました。

 

15 経済小説(銀行・証券・保険)20選 

 「政・官・財」で支配する日本社会を、官の内部告発で描かれた問題作。当時は先端だった「複雑系」の理論を駆使した企ては、群集心理を読むことに長けた「伝説の官僚」の思惑と一致します。そして内閣法制局が江戸幕閣の「右筆」と重なり、日本社会はつくづく「温故知新」だと思いました。

 次点は「17 小説 金融庁」。一斉風靡した金融庁検査。今考えると、あの騒ぎは何だったんだろうか?

 

16 経済小説(流通・サービス業)20選 

 初読のときはフツーに読み進めましたが、再読すると印象が変わりました。定年間近の銀行員が、鉄道ファンでもないのに廃線が決まったローカル鉄道に惹かれていく。それは自身の生き様を「なぞる」過程であり、還暦間近の私にも重なるものでした。ローカル線の再生物語は、シニア第二の人生に繋がりました。

 次点は「18 島のエアライン」。無駄な公共事業の典型と叩かれた裏に、壮絶なドラマがありました。

 

17 経済小説(財界人一代記)20選 

  先に岸信介安倍晋三の祖父)の本を読んでいたので、戦前の商工大臣で官僚の岸と対立した「財界人」小林一三は気になっていました。現代にも通じる、多くのアイディアを経営に生かすと同時に、強運の持ち主としても感銘を受ました。但し現在、小林一三が生んだ「宝塚」を見ると、ちょっと残念。

 次点は「13 まかり通る」。兄貴分の福沢桃介だけでなく、戦国武将にも思いは飛びました。

 

18 (雑記)徒然な日常 

  はてなのお題「人生最大のピンチ」から思い出して書いたものです。転勤で一人暮らしを始めたときに、なぜか私になついてきた「アイツ」の物語。30年以上前の、半年ほどしかなかった付き合いでしたが、今でも鮮明に覚えています。今思い出しても、なぜアイツが私になついてきたのか不思議です。

 次点は「本棚の中身と『外身』」。こちらもはてなのお題から、子供の頃の両親の思い出を記しました。

 

19 コラム「世の中に言いたい!」 

  ブログを始めて間もなくの投稿。はてなのお題から、私が愛する「活字文化」の未来を憂いて、珍しく時間をかけて取り組みました。まとめるのには一苦労でしたが、投稿後は皆さまから、様々な意見を頂戴しました。この投稿によって、ブログをしばらく続けて行く気持ちが定まりました。

 次点は「国会を欠席しても、国民の負託は伝えることができるの?」。なぜか書いていて、笑ってしまいました。

 

20 (雑記)カルチャー(アニメ、スポーツ、音楽など) 

  原作者のさいとう・たかをさんの訃報を受けて書きました。大学生の時に古本屋を回っては大人買いをして一機に読んだ思い出があります。そのため20世紀の作品に集中してしまいましたが、それでも10作品絞り込むのは大変でした。「10選」シリーズは他にも「ルパン三世PART1」や「ドカベンキャラクター」、そして「日本の国宝」など続きました。

 次点は「見渡せば華も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ」。秋の歌のお題で書いた記事は、毎年秋になるとアクセスが増えます。

 

   

 

 ブログを始めて今年で3年を越え、4年目を迎える予定です。最近は歴史小説の書評が続くため、「お口直し」に今までを振り返り、様々なジャンルを取り上げてみました。

 そして今年は1年間、このまま歴史小説」がずーーと続く予定で  (^^) 

 これからも(呆れず、見捨てないで)よろしくお願いします m(_ _)m

 

  よろしければ、一押しを m(_ _)m