61 シャーロック・ホームズ20選
中学の入学祝いに買ってもらった新潮文庫版ホームズ全集。あれから40年以上たち、入学祝いにお金を出してくれた父も、一緒に本屋に買いに行った母も今はいません。
絵具会社を経営し、今は隠居生活を営んでいるアンバリーから事件の依頼があった。妻と友人のアーネスト医師が内通しており、彼の蓄えの現金と有価証券を持ち逃げしたと訴える。
ソア橋の上で、頭を撃ち抜かれた妻マリアが発見された。家庭教師のグレイスの衣装棚から、口径が一致した銃が出てきた。屋敷の主、ギブソンはホームズに容疑を晴らして欲しいと依頼する。
兵器工場に勤める青年が、死体となって発見された。死体の服のポケットには、イギリス国家の最高機密とされた最新鋭兵器「ブルース・パーティントン型潜水艦」の設計書の一部であった。
エクルズ氏がウィスタリア荘に招待される。荘の主人ガルシアは全く話が弾まず、不愉快な思いになる。翌朝、ガルシアは死体となって発見され、警察はエクルズを容疑者として追及する。
「アベ農園」で主人が殺害された。出迎えた警部は夫人が意識を回復し、解決は時間の問題だと語る。帰路についたホームズは現場で抱いた違和感から、途中下車して事件現場へ舞い戻る。
コーラム教授の屋敷で、秘書の青年が首をナイフで刺されて死亡した。手には犯人のものと思われる金縁の鼻眼鏡を握りしめていた。ホームズはその鼻眼鏡を見ただけで持ち主の特徴を言い当てる。
大学の奨学金試験の問題用紙が何者かによって書き写された。試験を受ける3人の学生は、スポーツマンのギルクリスト、インド人のダウラット・ラース、怠け者のマイルズ・マクラレンである。
ピーター船長が、銛で一突きにされて殺されたのが自室で発見された。ホームズらが犯行現場の小屋を張り込と、その晩、一人の痩せた弱々しい青年が小屋の鍵をこじ開けて入ってくる。
キュービット氏がホームズに、いろいろな姿の人形がいくつも並んだ絵この絵を見て妻がおびえているという。ホームズはそれを調べ、事件が急を告げていることに気づく。
弁護士のマクファーレンはホームズに疑惑を晴らして欲しいと依頼するも、警察に連行されてしまう。そして現場から血のついたマクファーレンの指紋という決定的な証拠が発見された。
ホームズは兄マイクロフトから、ギリシャ語の通訳の仕事をしているメラス氏から不可解な話を聞かされる。目隠しをされたまま連れて行かれ、通訳として脅迫の手助けをさせられたという。
インドで活躍したバークリ大佐が「怪死」した。警察はバークリ夫人を容疑者とするが、ホームズは夫人が背の曲がった男と会っていた事実を聞き出す。
マンローはエフィという未亡人と結婚していた。ある家族が彼の近所の別荘に引っ越してきて以来、エフィはその別荘に出入りするがその理由は決して語ろうとしなかった。
ホームズの元に帽子とガチョウが届けられる。拾い主が、ガチョウの中から「青いガーネット」が出てきたと知らせてきた。帽子の持ち主から、「青いガーネット」の秘密を探り出すホームズ。
ホームズはボヘミア国王から、以前に遊びでオペラ歌手のアイリーン・アドラーと取った写真を取り返す依頼を受ける。結婚を控え、アドラーからその写真を送ると脅しがあったというのだ。
ついに時間は午前4時。読み始めて8時間経過し、頭も疲れてきた。でもここまで来たら、全部読むのも1作残すのも同じ、と自分を納得させる論法を組み立てて読み続ける。
時間は既に「草木も眠る丑三つ時(ここでは、午前2時頃)」。小学生としては、夜更かししている背徳感も生まれてくる。そして何よりも、勢い余って読み進めたが、残りはもう2作しかない!
日がまたがる時間になった。前作の衝撃が余りにも大きく、眠気は完全醒めて1人でトイレにも行けなくなり(笑)、やむなく次の作品に移ることに。「赤毛組合」のような作品であることを祈りつつ・・・
前作「赤毛組合」を読んで、興奮して完全に目が覚めた。夜10時で当時の小学生はもう寝る時間(私だけ?)。でもとても眠れそうにない。ためらいなく、次の作品のページを開いた。
「赤毛組合」「まだらの紐」「唇のねじれた男」「白銀号事件」「海軍条約文書事件」の5つ。この5つの作品は、「殿堂入り」として自分の中で特別な作品となっている。