73 刑事物から警察物へ 警察小説20選
黒木律子が帰省した時、姉と姉の夫が交通事故に会うが、その事故に「名もなき戦士団」の関与が疑われる。「十三階」の古池慎一から、律子は再び十三階に戻りスパイ活動を行なう。
上原頼音(ライト)は不器用だが実直に物事に取り組み、内田希(アキラ)は美人だが、周囲の空気を一切読まない切れ者。そんな2人が警察学校を出て、駅の東と西にある交番に配置される。
ある日ビルの地下で、肩から下をモルタルで固められた男性の遺体が発見される。翌朝、捜査本部に犯人を名乗る男から電話がかかってきて、新人刑事の如月塔子が話し相手をすることになる。
ノンキャリアの同期4人がそれぞれの分野で専門能力を発揮しながら、情報を共有し捜査を協力して、事件を解決・阻止する役割を分担する。4人の専門を生かして広がりが持たれている。
広域捜査を行う通称SROが新設される。7人の小所帯にキャリア5人が終結するが、問題を抱えたメンバーたちは山根室長に引っ張られ、シリアルキラー「ドクター」による大量殺人を追う。
公園内の池の近くで遺体が発見される。状況から捜査一課の姫川係長は、遺体を運ぶ役と遺体を鎮める役が別人だったのではないかと推理する。そして池にはもう1つの遺体が発見される。
警視庁の鷺沼は捜査一課から「継続捜査」班に異動した 14年前12億円が消えた事件が神奈川県警管轄で発生し、再捜査する鷺沼に対し、神奈川県警は隠し事をしており、捜査の邪魔に入る。
拳銃摘発の「ヤラセ」と、北海道警察の裏金問題。警察庁から藤川警視正が監察のため道警本部に乗り込み、裏金について証言した津久井噴砂武闘は藤川の運転手となり、監察の業務に協力する。
新宿の公園で中年の男性と女子高生が殺害された。2人に接点はなく変質者の犯行と思われた。そして現場には「アンフェアなのは、誰か」と書かれた茶色の縁取りの栞が残されていた。
キャリア組の遠野麻衣子は、研修での成績から、ネゴシエーターとしての適正を認められて育成されるが、研修担当の上司との不倫が疑われて管轄に出されるが、そこで事件に巻き込まれる。
短編集と警察小説の両方の先入観を打ち砕いた作品。厚みのある短編を揃え、そして警察小説で、刑事たちの嫉妬や競争、焦りや苛立ちなどを隠すことなく描き出す迫力には圧倒された。
深夜若い女性の死体が見つかる。顔見知りの犯行に見られたが、心理捜査官吉村爽子巡査部長は、独自に学んだ日本式のプロファイリングを駆使して、顔見知りではない犯人像を進言する。
深夜のファミレスで男性の身体が突如発火、炎上し死亡した。被害者の左足首には、犬に咬まれたような咬み痕が残されていた。音道貴子刑事は中年刑事の滝沢と組むが、2人はかみ合わない。
首都高速で多数の死傷者を出す惨事が発生するが、その現場には女性の右足がおかれていた。その後身元が判明した被害者は、おとり捜査官・北見志穂の大学時代の同級生だった。
「影の特殊チーム」のリーダー、環は、未成年であったり、精神障害で責任能力なしで無罪になったりの、刑法上の刑に服していない事件の加害者が被害者になっている殺人事件に注目する。
鮫島警部は容赦のない捜査で「新宿鮫」と呼ばれていた。その新宿に台湾から毒猿と呼ばれる凄腕の殺し屋が来日する。追う者と迎える者、そして愛する者が交錯し、全面対決に突入する。
東京ロイヤルホテルで、黒人青年が死亡した。タクシー運転手の証言では、車中で彼が「ストウハ」と話していたという。別のタクシーの車内からは、古びた『西條八十詩集』が発見された。
蒲田操車場内で、男の殺害死体が発見された。前夜近くバーで被害者と連れの客が話していたことが判明するが、被害者のほうは東北訛りのズーズー弁で話し、「カメダ」の名前を話題にしていたという。
青函連絡船の層雲丸が転覆したが、身元不明の死体は強盗殺人事件の犯人と思われた。そして青森側に逃げ延びた犯人は、出会った娼婦から情をかけられて、感謝の気持ちで大金を渡す。
汐留駅で引取人が来ないトランクから、相当経った死体が見つかる。そして発送者はの近松は死体となって発見された。鬼貫警部は知り合いであった近松の妻から事件を聞き、調べ始める。