68 島田荘司 キヨシとヨシキで20選
島田荘司20選。最初は御手洗潔シリーズと吉敷竹史シリーズを分けて構想していたのですが、途中、作風の変化や「龍臥亭」の交錯等もあり、年代順に変更して書き記しました。
金沢の芸者置屋・盲剣楼で、終戦直後無頼の徒が楼を占拠。乱暴狼藉の限りを尽くす5人の男たちを、一瞬にして斬り殺した謎の美剣士。そしてその生き残りが剣士を連れてくるよう要求する。
京都の錦天満宮にある鳥居。鳥居の左右に人がる両先端が両脇の建物に突き刺さる。その建物の1階で密室殺人がおき、2階では1人取り残された少女にクリスマスプレゼントが置かれていた。
男が御手洗の事務所にやって来て母親が自殺未遂をし、何故そんな事をしたのか調べて欲しいという。調べると高利のローンの連帯保証人となったのを苦にしたものだった。
犬坊里美は27歳の司法修士生。倉敷で実習を受けることになる。総社神道宮に集まった人々の前に突然1体の腐乱死体が現れた。慌てて近くの警察を呼びに行ったほんの数分間で死体が消えた。
ニューヨーク、マンハッタンの高層アパート「セントラルパーク・タワー」に住む引退した大女優、ジョディ・サリナスが死の床で過去の犯罪を告白する。
箱根の富士屋ホテルへ赴くと、そこには「芦ノ湖に浮かぶロシアの軍艦」が写っていた。なぜ海と繋がっていないはずの芦ノ湖にロシアの軍艦が写っていたのか、わからずじまいだった。
吉敷竹史の元妻・加納通子は「首なし男」に追われる幻に悩ませられていた。一方吉敷竹史は公園で一人、聴衆もないまま夫の冤罪を訴えて演説をしていた老婦人を見かける。
御手洗潔の活躍を発表していた石岡和己に読者の二宮佳世が相談に来る。自分の業をお祓いしたいと懇願される。石岡は彼女と岡山県の龍臥亭と呼ばれる和風の建物による旅館に辿り着く。
松崎レオナが主演をする映画のロケーション先である死海のほとりで、ヨハネを演じる男が首を切断されて発見され、続いて不可解な殺人事件が続く。状況的にレオナに容疑がかけられる。
「クフ王のピラミッド」を模した、上半分は透明な強化ガラスで作られている建物。ピラミッドに隣接する7階建ての円塔、地上30メートルの密室で男が「溺死」している姿が発見された。
晒し首の名所である暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の楠。この巨木には次々と人間を飲み込むという伝説がある。そして伝説が繰り返されるように、大楠から死体が次々とと発見されていく。
平成元年4月、浅草の乾物屋に、老人の浮浪者が400円の買い物をするが、店主の桜井佳子は消費税の12円を払っていないと呼び止める。これに対して浮浪者は佳子をナイフで刺し殺した。
吉敷刑事に、三重県二見浦の夫婦岩で中年男の死体が映った写真が届く。死体の所持品には、吉敷が酒場で知り合った京都在住の小瀬川杜夫の名刺があり、吉敷は偶然に驚く。
女社長鬼島政子は秘書の草間宏司から、自分が逮捕されないで政子を殺害することも可能だと挑発し、政子は面白がって、1か月以内の期限を設けてその挑発に応じた。
「水晶特急」女性誌記者蓬田夜片子ら取材陣や著名人を乗せ、上野から山形県の酒田にむけて発車した。ところが水晶特急は散弾銃を持った男にジャックされてしまう。
吉敷刑事の別れた妻、加納通子からの電話は、ただならぬ気配だった。通子を追って上野駅へ行くも、一歩届かずゆうづる9号を見送る。翌日、青森で発見された死んだ女の服装は、通子の衣装と同じだった。
山陰地方の6つの駅と大阪駅に到着する電車の網棚に、頭部を除く女性の各部位がつめられた袋が置かれていた。休暇で鳥取に訪れていた吉敷は警察学校校時代の友人吉田から事件の話を聞く。
マンションの一室で顔面の皮膚は剥がされた女性の変死体が発見される。捜査一課の吉敷竹史は、いくつかの証言などから犯行時間を絞りこむが、「顔」が引きはがされた謎は解明できない。
宗谷岬のはずれのオホーツク海を見下ろす高台に建てられた「流氷館」は、3階建ての西洋館と円筒形の塔がわざと傾けられており、それゆえ土地の人からは「斜め屋敷」と呼ばれていた。
二・二六事件の日、画家の梅沢平吉が殺された。遺書は、若い6人の処女から、体の一部分を切り取り、それらを合成して完璧な肉体を持つ女性「アゾート」を作成するというものだった。