62 エラリー・クイーン 黄金の二十
本作品は2人のエラリー・クイーンの生誕100年を記念して2005年に、私が新婚の時代に刊行されました。本屋でその表紙を見てすぐに心を奪われました。
クイーンらしい手がかりにちりばめられ、新訳で発刊された創元推理文庫の表紙を見るだけでも楽しめる。全体を通して短編集とは思えない手ごたえを持つ作品が並んでいる。
クイーンは戦意高揚映画のシナリオを量産してダウンする。ニューヨークに帰ろうとしていたエラリーは、クイーナンというコミュニティに足を踏み入れてしまう。
事件の発端は1905年。双子の1人の出産がその母の死の原因となった。1929年作家デビューしたたエラリーは、クリスマスパーティーに招待された。
エラリーはハリウッドで執筆活動をするが、いつものように(?)煮詰まる。そこに「ご令嬢」が現れて、父ヒルの死を調査して欲しいと依頼される。
ライツヴィルから届いた2通の手紙。2人の人間が死に、1人の人間が行方不明になったという新聞記事の切り抜きが入っていた。この手紙に興味をそそられるエラリ―。
証拠を残すこともなく動機も不明なまま、5人もの男女を絞殺する連続絞殺魔が暗躍していた。「猫」と呼ばれた連続絞殺魔の捜査に苦慮し、エラリーも捜査に加わることになる。
たびたび記憶を失う症状に苦しんでいるハワードは、記憶のない間に自分が何かとんでもないことをしでかしているのではないかとエラリーに相談する。ハワードの自宅はライツヴィル。
三姉妹の次女ノーラは、3年前に結婚直前で婚約者が失踪してしまうが、婚約者がひょっこりと姿を現し、正式に結婚した。ところがノーラの死を予告する不吉な手紙が発見される。
旧友のビルの義弟のジョーが殺害されている現場に遭遇する。ジョーは二重生活をしており、入れ替えに利用するトレントンのあばら家で殺害されたことが判明する。
ウォルター・ゴッドフリー氏が私有する通称「スペイン岬」の海岸で彼の客人ジョン・マーコの奇妙な絞殺死体が発見された。その被害者はマントに覆われ、その下は全裸だった。
ドナルド・カーク氏に会いに来た「名無し」が事務所の控え室で彼の帰りを待っていた。帰宅したドナルドが事務所の控え室へ入ってみると、「名無し」は死んでいた!
休暇でドライブしていたクイーン親子は突然巻き起こった山火事に巻き込まれ、頂上に一軒だけあった屋敷に逃げ込むことになった。その晩事件が起きる。
片田舎のアロヨ村近くでクリスマスの朝、T字路にあるT字型の道標に、首を切られT字型に吊るされた死体が発見された。そして被害者の家のドアにはTの血文字が記されていた。
画廊を営むハルキスが心臓発作で死亡した。そして死の直前に書き替えた遺言状が紛失する。遺言状の捜索に派遣されたエラリーは、遺言状はハルキスの棺にあるのではないかと指摘する。
オランダ記念病院を訪れるエラリー。折しも病院のパトロンであるアビー・ドールンの緊急手術が行われようとしていた。ドールンが手術室に運ばれると、細い針金で絞殺されていた。
ニューヨークにあるフレンチ百貨店。係の女性がボタンを押すと、ショーウィンドウに迫り出してきたベッドと共に、銃弾を打ち込まれた女性の屍体が現れる。
サム元警部の探偵事務所に「虹色のひげ」を持つ人物が登場し、「もし私から連絡がなかった時レーン立ち合いの元、この封筒を開けてほしい」との言葉を添えて、封筒を預ける。
「Yの悲劇」から10年、警察を退職したサム警視は、私立探偵事務所を開いて娘のペイシェンスとともに暮らしている。そんなある日、医師アイラ・フォーセットの不正を暴くために呼ばれる。
富豪ヨーク・ハッターが自殺した。そしてエミリー夫人がマンドリンで殴られて殺害。レーンはヨークの手になる探偵小説のあらすじを見つける。そのあらすじ通りに事件が発生する。
満員の市電の中で、巧妙な殺人が発生する。お手上げとなったサム警視とブルーノ地方検事は、必死の思いで元舞台俳優の名探偵ドルリー・レーンに協力を要請する。