57 経済小説(財界人一代記)20選
カウンターカルチャーの時代に育ったスティーブ・ジョブズはプログラミングの天才ウォズニアックと出会い、Apple社を設立し、間もなく世界を席巻する。
在日三世として、貧しい家庭くで生れた安本(孫)正義。恵まれた頭脳と旺盛な事業欲を武器にアメリカで成功して日本に舞戻り、ソフトバンクグループを創設する。
日本のリース業界を1人で切り開いた加藤愛一郎。多角化してグループを巨大化し、政治にも介入していく姿は、「和製ハゲタカ」に他ならなかった。
14歳の時に姉の夫である松下幸之助の元で働き、松下電器成長の動力源となった井植歳男。公職追放により退社するも、三洋電機を巨大メーカーに押し上げる。
通信省に入省した石坂泰三だが、第一生命に転職し、戦後は東芝の激しい労働争議をまとめあげた。その後経団連会長となり「財界総理」と呼ばれる。
東京帝大で学業が振るわい正力松太郎は、警視庁に入省して頭角を現わすも、虎ノ門事件で懲戒免官となる。その後読売新聞を買収して野望を果たそうとする。
五島慶太お金を貯めて東大に入学し農商務省に入省、その後鉄道院に移る。しかし官界での出世に見切りをつけて実業界に飛び込み、東急グループを拡大していく。
慶應義塾に入るも病気で卒業できなかった松永安左ェ衛は、傲岸不遜な性格から社会に出ても失敗ばかり。しかし玉石混淆の電力業界に入ると、その実力を発揮する。
鮎川義介は長州閥で東大卒ながら、身分を隠して職工として基礎技術を学ぶ。やがて実業家の道を歩むと、日産や日立などを傘下に収めたグループを築く。
三井銀行に就職した池田成彬は豊富な知識から、出世街道を歩み、三井財閥のリーダーとなる。その後日銀総裁や大蔵大臣も務めるが、軍部と対立することになる。
両替商の父を継いだ野村徳七は、強気の勝負勘と共に、情報収集を重視。また会社組織もいち早く近代化に努めて、野村財閥を築き上げるも、敗戦直前に財閥解体をおびえながら死去する。
三井銀行に就職した小林一三だが固い仕事が性に合わず会社を退職。鉄道会社の専務に就任すると、今までにないアイディアで鉄道会社を中心に地域を発展させるシナジー効果を生み出す。
学生時代に放蕩生活を送った大原孫一郎は、倉敷紡績を承継すると、利益は社員と会社に還元する方針で経営。また文化事業などにも惜しげもなくお金を出して、世界有数の会社に成長させた。
大工の息子に生まれた豊田佐吉は持ち前の器用さで発明家の道を志す。見学と研究に没頭し、織機機械を中心に数多くの特許を得ると、支援者や番頭にも恵まれて事業は拡大する。
富山の足軽出身の安田善次郎は、江戸で商売で身を立てる決意をする。両替商から独立した善次郎は、幕末の乱世で誰もが尻込みするリスクを負って勝ち続け、遂には安田財閥を築き上げる。
新潟県の質屋の息子に産まれた大倉喜八郎は、持ち前の才覚で幕末に武器商人として立身する。徒手空拳から始めて、持ち前のウィットと交渉術で新政府に食い込み、大倉財閥を築き上げる。
伊庭貞剛は、幕末に志士と交流した縁で新政府に出仕するも幻滅し、叔父の広瀬宰平が総理事を務める住友に入社する。強引なやり口を改め地域との対話に努めて、住友グループの礎を築く。
頭脳は明晰だが下級武士出身で鬱積していた岩崎弥太郎は、ひょんなことから認められて土佐藩で出世していく。維新後は独立して菱商会を設立し、商売で覇権を握ろうとする。
天領の庄屋の息子に産まれた渋沢栄一は、奇縁から一橋慶喜の知遇を得て持ち前の才覚から頭角を現わす。維新後は明治新政府に出仕するも下野し、民間から日本経済の基礎を築き上げる。
小栗上野介から知遇を得ていた金平糖売りの利八は、幕末の金銀の交換比率による改鋳を聞きつけて金を買い占めて巨額の富を得ることに成功した。そして三井両替店に入店する。