55 経済小説(銀行・証券・保険)20選
住友銀行に入行することになった西川善文。出世する度に焦げ付き債権の処理に追われてついたあだ名が「不良債権と寝た男」。その後の金融自由化でも裏に隠れず堂々と対応した。
新人弁護士のもとへ、事故死した夫の損害賠償を求める妻が訪れる。フリーのトレーダーで、逸失利益は跳ね上がり、請求する賠償金の額は2000億円。しかし財産は全く持っていない。
東大の入学式前日に路頭に迷った荒木大河が働いたバーのマスターは、NYで「伝説のディーラー」と言われた男だった。NYでの活躍の舞台が用意され、「連戦連勝」の伝説の幕を開ける。
兄は銀行に恨みを道金融庁で検査官となる。弟は兄の支援で東大法学部に進学するが、兄が嫌う五輪銀行に就職して、エリート街道を突き進む。その兄弟が金融庁検査で対決する。
右近祐介は大淀銀行を退職後、投資銀行を開業した。そこへ大淀銀行が貸し込みを行なった債務者が貸付無効の訴訟を起こす。しかし大淀銀行は責任を右近に全てなすりつけていた。
日銀金融記者の宮島裕は、スクープ記事をものにする。しかしその反動で仲間が自殺。宮島は復讐を誓うが、その狙いは、日本銀行をデフォルト(債務不履行)に追い込むこと。
蒲田に工場を持つアルファ社は、確かな技術で黒字経営を維持している。受注増加より資金調達が必要になるが、「貸しはがし」の中、銀行の様々な思惑が絡み、難しい舵取りに迫られる。
邦和銀行副頭取の大浜和孝は、世界経済を実質牛耳っていたテーラー一族に対して復讐を企てる。希少金属を軸に計画を進めるが、金融危機の状況の中、大浜は厳しい舵取りを迫られる。
バブル期に入行した半沢直樹は、入行して16年目、融資課長になって働いていた。但しバブル崩壊後で支店の業績は悪化。支店長も出世指向の強い浅野に代わり、無理難題を押しつける。
千駄木の事業主が銀行の貸しはがしに会い、自殺する。お客様サービス室に勤める島津は心を痛めるが、自分の立場でできることは何かを見つめ、少しずつ周囲を変えていこうとする。
大手生保・清和生命はバブル崩壊により、それまでの積極経営のツケが回されて破綻の危機に瀕していた。同期の各務裕之と中根亮介は社長の命を受け最後の大きな賭に打って出る。
有力販売代理店社長の息子が、保険に入る前に運転して、死亡事故を起こした。販売店支社長は事故前に保険加入をしたとする「アフロス」を試みるため、豊栄火災に契約を依頼した。
日本不動産金融銀行の経営悪化を認める蔵相の失言により金融パニックが波及する。答弁書が何者かによって差し替えられており、問題発言は作為的な陰謀であることが判明する。
山一證券は損失の隠蔽を行い、メイン行や大蔵省からも見限られ、最後通牒を突き付けられ、ついに11月24日、役員会で自主廃業を決議する。
巨額の不良債権に喘ぎ、自首債権が見込めない、仙台市の三徳シティ銀行。蔵省は銀行を潰さない方針で、山形県の山形恒産銀行、岩手県の岩手中央銀行との三行による広域合併を画策する。
「Dファンド」は派手な動きでディールを重ねては勝ち続ける。謎のファンドのボスは、かつて米国系銀行で辣腕をふるうも、突如として姿を消した43歳の日本人女性、高城智子だった。
小桧山誠造が一代で築いた光和相互銀行は、死後ファミリーを中心に利権にむらがり、経営は乱脈を三輪メル。ついには貸付金の50%が不良債権となり。自力での再建が不可能になった。
創業者・野村徳七が徒手空拳から、証券会社を中心として巨大な財閥を形成した。徳七の死後、戦後は灰燼の中から復活し、ついに「ガリバー」に成長していく姿を描く。
都市銀行東西銀行法人営業部の次長を務める大森四郎は、出世競争の先頭集団にいる。不良債権の問題が権力争いに影響し、役員も、そしてその部下たちもその渦に巻き込まれていく。
かつては「相場」の中心であった大阪・北浜は、今は見る影もない。天王寺証券の東京支店長、五代信一郎は、東京で大手証券会社の妨害に対しながら、北浜市場の再興を目指す。