小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

20のカテゴリーから20選! ① ミステリー編

 

 読者の皆さま、今年もお世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます  m(_ _)m

 

 私のブログも2年半を経過し、投稿した記事も600に迫るところまできました。

 ブログを始めた理由の1つは、自分の読書遍歴を整理してまとめること。ブログ(PC版)右の「カテゴリー欄」も、当初思い描いていたものに近づいてきました。

 

 ところで私の投稿の仕方は、同じジャンルを「くくって」続けるため、現在は今年5月から開始した「歴史小説」一色😓 当然「関連記事」も「注目記事」も同じジャンルばかり。

 そこで今回、歴史小説以前に取り上げた「ミステリー」,「経済小説」,「雑記」の20のカテゴリーから各1作品ずつ選んで、ブログを振り返っていきたいと思います。まあ「番宣」ですかね (^^)

 そんなこんなで、ブログタイトルの「出来損ない」のようなサブタイトルをつけさせて頂きました💦

 年末年始と2回に分けて投稿します。まずは「ミステリー」10のくくりから、10作品選びます。

 

 

1 シャーロック・ホームズ20選 

  小学校6年生の冬、「ホームズ物」5編を朝まで読み通してしまった時の最初の作品です。今から思うと、内容よりも「読書の楽しみ」を教えてもらい、現在の読書遍歴に至るスタートの作品になったものです。初めて徹夜をした「冒険と想い出」の情景もよみがえり、ノスタルジックな気持ちで書き記しました。

 次点は「19 ソア橋」。トリックが有名ですが、登場人物が最近の英国王室とカブって見えます。

 

2 エラリー・クイーン 黄金の二十 

 作品から見ると、ミステリーの奥深さを教えてくれた「Xの悲劇」に私は軍配を上げますが、ブログ的に見るとこちら。欧米ではそれほどでもないのに、日本では突出した人気を誇るこの作品。その理由を考えると、横山大観村上春樹に辿り着きました(理由は、本文を読んでください)。

 次点は「18 最後の一撃」。クイーン最後の事件を想定して書かれた作品。様々な思いが湧きました。

 

3 アガサ・クリスティーのtwenty 

 ネタバレから、初読時は全く印象に残らなかった作品でしたが、再読すると俄然引き込まれました。「歴史的トリック」に隠されたと思われる作品の「本質」を思い至って、慄然としました(個人の感想です)。ブログを始めたことによって、新たな発見をした作品の1つです。

 次点は「13 鏡は横にひび割れて」。クリスティーによる「女性の様々な人間模様を描いた物語」。

 

4 海外ミステリーBest20

 今から50年以上前に書かれた、ウクライナソビエトから独立を企てる物語。スケールの大きさと緻密なディテールに驚嘆した印象が強く、時代遅れと思いつつ取り上げました。しかし半年後、ロシアのウクライナ侵攻が発生し、この作品の「賞味期限」が現代にも残っていたことを痛感しました。

 次点は、「5 わらの女」。古典ですが、ミステリーにおける「女性ヒロイン」の基準と思い至りました。

 

5 島田荘司 キヨシとヨシキで20選 

 御手洗「潔」と「吉敷」竹史を主人公とした作品のくくり。初期作品はトリック(手品?)がさく裂しますが、この作品は登場人物の深層を「えぐった」印象が残り、ここから島田荘司の作風が変わっていくのを感じました。再読して新たな魅力を感じた1つです。

 次点は「番外 夏、19歳の肖像」。非ミステリーですが、年を重ねてから読むと、心にしみます。

 

6 東野圭吾 20世紀の20選

 今は国民作家となった東野圭吾を、初期の作品に絞って取り上げたくくり。地味な展開で初読の時は余り印象に残りませんでしたが、再読すると「中堅の実力派俳優が演じている、2人芝居を見ているかのよう」な印象に。作品自体に様々な仕掛を試みる東野圭吾らしい、特徴ある舞台設定に感じ入りました。

 次点は「16 パラレルワールド・ラブストーリー」。タイトルと内容から、村上春樹を連想しました。

 

7 国内ミステリー20選(メフィスト賞前)

 今からおよそ90年前に描かれた作品が目指したものは、はるか太古かそれとも遠い未来か。再読してブログ用の投稿を書き始めると、予定とは違った思いが湧き上がり、当初とは全く違った「着地」となりました。そのため、他の方の書評とはかなり違った内容になっています。

 次点は「19 魍魎の匣」。こちらも作品から想を受けて、内容がいろいろと「飛び」ました。

 

8 国内ミステリー20選(メフィスト賞後) 

 「新本格派」の隆盛を意識して「メフィスト賞」を分水嶺としてくくりましたが、その生みの親の編集者、宇山日出臣が最後に世に送り出した作品。この世界観を表現するのは困難極まり、開き直って楽しんで書いていくと、なぜか村上春樹空海が登場しました。

 次点は「13 ユージニア」。作品の持つ独得の世界観を、「青」を刷る作業を止めた色彩と感じました。

 

9 今野敏堂場瞬一 警察小説10&10

 数多い堂場瞬一作品の中でも「偏愛の書」の本作品。堂場作品の中で特徴的な役割を持つ「土地」が効果的に描かれて、ここでは登場人物の人生や心象とシンクロしていることに感じ入り、文章が勝手に書き進めました。ネットでは余り注目されていない作品なのが、残念です。

 次点は「番外 継続捜査ゼミ」。作品も魅力的ですが、200を超える今野作品への愛着が溢れました。

 

10 刑事物から警察物へ 警察小説20選 

 初読、そして映画では「ハンセン病」については理解が及びませんでした。改めて読むと、このことによって、作品の「深み」がかなり増します。単なる警察小説を越え、社会の問題点に対し、常に先駆けて警鐘を鳴らしてきた松本清張の面目躍如、といった感を受けました。

 次点は「8 凍える牙」。凜とした女性刑事のハシリ。この後ヒロイン像は様々な成長を遂げていきます。

 

     年明けの「② 経済小説・雑記編」に続きます!

 

 よろしければ、一押しを m(_ _)m