54 経済小説(製造・建設・エネルギー)20選
田谷毅一は上京したい一心で、高校卒業後にツテを頼って東京・神田の小さな婦人服メーカー、オリエント・レディに入社する。80年以上に渡るファッション業界のドラマを描く。
トヨトミ自動車の中で、販売部門に入社した武田剛平、社長である豊臣新太郎に認められて遂に社長にまで上り詰め、国内シェア40%突破の悲願を達成する。そしてついに禁断の扉を開く。
富士祥夫は東工大で原子核工学を専攻し、日本最大の電力会社に就職する。執行役員兼福島の原発所長へと出世の駒を進めた主人公を襲ったのは3・11の巨大津波と全電源喪失だった。
現場を担当してきた富島平太は突然、「談合課」への異動を命じられる。平太は談合がなければ建設業界は立ち行かないため談合は「必要悪」であることを聞かされる。
新入社員の江口リツコは、ビスコと呼ばれている。そんな彼女が就職したお菓子メーカーで広報部に配属されるが、評価は「戦力外」。給料ドロボーと呼ばれ、泣かされる毎日が続く。
赤松徳郎は自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こし、死傷者を出してしまったことを知る。「容疑者」と決め付けられ、会社も信用を失い、倒産寸前の状態に追い込まれてしまう。
外資系投資ファンド会社に勤務する野上妙子が休暇を終えて出社すると、所属部署が消滅していた。そして妙子は地熱発電の会社「日本地熱開発」の再生を命じられた。
山根梨央30歳は、酔っぱらった勢いで建設現場によじ上った所、トビ職の田所徹男に助けられて一目惚れ、勢いで工務店に就職するが、ド素人社長が何もわからずパニックになっていた。
山之内明が発明した石油を精製する細菌「ペトロバグ」。世界の石油市場を根本から覆す脅威を感じた石油メジャーとOPECの双方から、山之内殺害とペトロバグ略奪の指令が出された。
入社当時にバブルを経験したキャリア女性が、バブル崩壊後にも仕事を続けていく厳しい現実に直面して、打ちひしがれる30歳の主人公・北村沙美だが、自らの人生をあきらめられない。
元商社マンの安積啓二郎は、役員の叔父から、営が傾き始めた実家のガラス工場の社長になって欲しいと頼まれる。最初は工場を売却するつもりが、次第に「モノづくり」の再起をかける。
川崎市に構える樹脂加工業、部品組み合わせ作業、そして板金業者の3社は「産業空洞化」に直面し、親会社からの受注削減などで、それぞれ会社存続の岐路に立っていた。
バブル期に伸張した自動車のアメリカ輸出を制限するようにアメリカから通告される。日本国内でもバブルは崩壊して国内需要も減少し、自動車メーカー各社の経営は危機的状況に陥っていた。
関東建設は2兆円規模の工事受注に狙いを絞る。折しも元総理の田坂渡が急死して、派閥を受け継いだ久光順造は一番おいしい部分を関東建設に受注させて、政治資金としなければならなかった。
「鉄冷え」の時代に北九州市では誇りある鉄鋼マンが苦難の道を歩んでいた。佐藤憲治は愛人と海外に赴任する。妻由佳は文学サークルで男と知り合い、惹かれながらこの街で暮らしていく。
業界第2位の大洋製薬社長・田沢利兵衛は、ガン治療新薬の画期的な新薬「SM82」の完成が迫っため、利兵衛は、タブーを破って社が運営する太陽病院での人体実験を命じる。
突然、中東からの石油輸入が断たれた。エネルギー源の多くを石油に頼り、その石油のほとんどを輸入に頼る日本への影響は計り知れない・・・・調査レポートに基づいた近未来予測小説。
タイガー自動車の課長、朝比奈豊は、同期の柴山が事故死した後任になったが、その仕事は産業スパイだった。デザインが盗まれ、踏切事故を起こして欠陥車と告発をされていた。
川崎製鉄(現JFEスチール)創設者、西山弥太郎は、裏打ちされた技術と信念で経営を進める。銑鋼一貫工場を千葉に建設し、戦後日本企業が世界市場を席巻する礎を築いた。
自動車産業は20世紀のアメリカを牽引する産業となった。しかし石油ショックによりガソリンを大量消費するアメリカ車は敬遠され、代わって低価格で燃費も性能もよい日本車が台頭する。