2024-01-01から1年間の記事一覧
文化や美術を改革する「天才」に共通するのは、ゼロからの創作ではなく、従来あるものを「芸術」に昇華する発想と能力が優れていたのだと思います。
長州藩士の井上勝は、長崎留学で見た鉄道模型の試運転に心を奪われる。英国留学生に選ばれると最先端の鉄道技術を身に着け、帰国すると全国に鉄道網を敷いていく。
絵が好きで画家になるも、妻に貧乏を強いる生活が続く歌川広重。葛飾北斎が使う通称「ベロ藍」の鮮やかな青に魅せられて、連作「東海道五十三次」を作り出す。
極端な人見知りの伊藤若冲は、商いを弟たちに任せ、自分は部屋に籠もって絵を描いていた。妻が自死し屈折した気持ちで、朽ちる物を描写し、次第に注目を浴びる。
連歌から独立した俳諧は、松尾芭蕉によって「芸術」にまで高められる。「野ざらし紀行」と「おくのほそ道」を中心に作られた俳諧は、神韻を帯びて現代に残る。
甲冑師の虎徹は、戦乱が収まると商売が下り坂になり、刀剣師に鞍替えする。鉄を扱う仕事が変わらず材料を吟味し精力的に刀を作るも、思い通りの切れ味には至らない。
関孝和は叔父の井上政重に頼んで、囚われている宣教師から最先端の数学の教えを受ける。そして誰にも解けないと言われた問題を「発微算法」で解き明かした。
碁打衆に生まれた安井算哲は才能はあるが腰が定まらず、兄に遠慮して渋川春海と名乗る。但し算術への興味は尽きず、算術の難問や測量に取り組んで才能を磨いていく。
京の呉服店に生まれた尾形光琳は、怠惰な生活を過ごす。しかし実家が廃業すると収入が途絶える。絵と真剣に向き合うと、2色のみで燕子花を描く構想が浮かんだ。
長谷川等伯は画の力量が周囲から認められるも、妻には先立たれ、兄からは利用され、子は奸計に嵌まり早世する。そんな因果を乗り越えて、1つの作品を生み出す。
千利休の茶道は、その周囲をも狂わせた。高みを極める芸術性は門弟を配下として、遂には天下人豊臣秀吉をも凌駕する。対して利休も秀吉の芸術性に気づいていた。
浅井家の鷹匠の小林家次(家鷹)は、信長の攻撃によって死を覚悟した時に、見事な白鷹を見かける。信長も同じ戦場でその白鷹を見て、家次に捕まえるよう命じる。
織田信長の番匠として長年仕えた岡部又右衛門は、天下を睥睨する城を築くことを命じられる。信長の嗜好と性格を熟知する又右衛門は、あらん限りの知恵を絞る。
子供の市太郎は武田信玄に囚われて奴隷として、鉱山の発掘という過酷な作業を強いられる。しかし武田軍の敗戦で逃亡してしばらくすると、石垣積みの穴太衆と出会う。
狩野永徳は内なる欲求を描くことを欲し、父と対立していた。その独自の画風は市井で広まることはなかったが、足利義輝、松永久秀、そして織田信長に注目される。、
八代将軍足利義政は政道に嫌気をさして文化に道を求めた。職人や文化人の知恵を集めて完成した銀閣だが、義政死後は荒れ果てる。それでも銀閣は意義を失わない。
「風姿花伝」を現わした世阿弥は、父が起こした曲舞を芸術の域に高めようと邁進する。そのためには屈辱も厭わず、権力者に取り入って、家族も顧みない生涯を送る。
若くして仏像を彫る運慶は、兄弟子快慶が持つ、従来のたおやかな曲線を描く作風と一線を画し、力強さ漲る作風を作り上げ、武家が権力を握った鎌倉創設期で認めらた。
文武に秀でた佐藤義清は璋子に仕えて運命が変わる。白河院をも魅了した容色は年を重ねても衰えることなく、義清も虜にする。悩んだ義清はついに出家を決意する。
下級貴族の娘に生まれた小市(紫式部)は、学識に優れるも容姿は人並みを自覚し、文で身を立てたいを望む。すると周囲の女性が日記や随筆を書き、評判が聞こえてくる。
古今和歌集の選者に抜擢された紀貫之。抜擢に喜び、その思いは幼少のころ美しい母と過ごした逢坂で体験した不思議な物語、六人の歌人と出会いが思い出される。。
幕末から昭和編で、20選で取り上げなかった作品を紹介します。この時代は植松三十里さんが、21世紀になってから旺盛な創作活動で多くの作品を発表しています。
海軍に入隊した鈴木貫太郎は出世が遅れ不満を抱くも、黙々と仕事をこなすと、最高位まで出世する。が、突如侍従長のポストを命じられ、昭和天皇と関係を深くする。
米内光政は海軍で「グズ正」と言われながらも人望があり出世していく。海軍大臣では「金魚大臣」と揶揄されるも、終戦に際し筋を曲げず、海軍と内閣をまとめていく。
陸軍に入隊した阿南惟幾は、実直な人柄で政争が激しい陸軍内で注目を浴びる。侍従武官の際に侍従長だった鈴木貫太郎内閣で陸軍大臣を勤め、終戦を迫られる。
頭脳明晰だが奇行が目立った石原莞爾は、陸軍で頭角を現わし、満州事変を成功させた。しかし陸軍は派閥抗争と戦線拡大が進み、石原の思いからは離れていく。
高貴な身分と優れた教養、そして秀麗な風貌から国民全体の期待を集めた近衛文麿。なるべくして総理の座に就いたが、そこで自らの政策を貫くことはできなかった。
石工の子に生れた広田弘毅は学問に優れ、外交官を目指す。堅実で実直な仕事振りは徐々に周囲に浸透し、外務大臣、そして総理へと登り詰めるが、戦犯に指名される。
日露戦争の外貨獲得を成功させた高橋是清は、その後6度の蔵相で危機を乗り切るも、軍事予算の拡大を食い止めることで恨みを買ってしまい、二・二六事件を迎える。
高橋是清はヘボンの私塾で学ぶと海外渡航を希望する。ところが渡米先で騙されて奴隷として売られてしまい、何とか帰国すると、波瀾万丈の人生がスタートする。