47 歴史小説・近世(江戸時代編)20選
水稲生育に適さない領地で、家格にこだわる南部藩は領民への圧政が続いていた。三浦命助は一揆を企てるが、一揆側の要求を通すために、周到な計画を練り上げた。
薩摩藩の借金は500万両に膨れ上がり、財政は完全に破綻した。茶道家の調所広郷は島津重豪の命で、借金立て直しを図ることになる。その方法は踏み倒しと密貿易。
名門に生まれた田中玄宰は、祖父の教えで志操堅固な武士に成長する。家老になると会津藩の財政改革を成功させて、一方で教育にも力を入れて尚武の家風を守り抜いた。
小藩の四男に生れた佐竹岩五郎は、阿波25万石の藩主となる運が開かれる。蜂須賀重喜と名乗り財政改革に着手するが、家臣だけでなく幕府の思惑にも巻き込まれる。
11代将軍徳川家斉は、52年に亘り幕政に君臨する。その間寛政の改革、化政時代、天保の改革と政策に定見がない。体制の軋みは広がり、幕府瓦解の原因を築いていった。
伊奈家は3千石の旗本だが、実態は関東郡代として20万石を支配する実力を持っている。そして家祖は家康の伊賀越えから付き従い、巨額の遺産を託されたと噂があった。
紀伊藩の足軽の家に生れた田沼意次は、吉宗が将軍就任に伴い旗本となり、9代将軍家重の覚えめでたく老中にまで出世し、破綻した幕府財政を立て直そうとする。
紀州藩主吉宗との将軍家争いに敗れて失意のまま亡くなった尾張藩主の継友。弟の宗春は尾張藩主になると、吉宗の倹約政策を当てつけるような政策を、領内で広める。
大岡忠相は八代将軍吉宗に見出されて江戸南町奉行に出世すると、吉宗が目指す改革の実行を迫られる。物価の安定を目論む忠相は、豪商三井高平との対立を迫られる。
父が江戸から追放となった荻生徂徠は、その後江戸に戻るも貧窮に喘ぎながら学問を続ける。その学識が徳川綱吉に認められて出世を遂げ、自らの学識を深めていく。
貧農から豪商に登り詰めた河村瑞賢は、幕府要人に頼まれて数々の事業をやり遂げる。商人の枠を超えて人に向き合い、仕事をやり遂げるリーダーの姿だった。
旗本の次男坊に生まれた荻原重秀は、大規模な検地を成功させて将軍綱吉に見出され、ついには財政の責任者となって、構造的な赤字を抱えた幕府財政の改革に取り組む。
光圀の望みを知った泰姫は同意するが、嫁いで4年で没する。藩主となった光圀は、後継に頼重の指名し義を完遂する。光圀待望論が広がる中、将軍綱吉は面白くない。
徳川家康の11男頼房を父に持つ光圀。父は長男の頼重を差し置いて光圀を世子に定める。光圀はそれが負担となり、町で暴れ論議をふっかけるなど鬱々とした日を過ごす。
二代将軍秀忠の子に生れながらも正妻から隠されて育った保科正之は、「足るを知る」人物に育ち将軍家光に信頼される。領地経営も善政を施し幕府政道を支え続けた。
酒井忠清の将軍を凌駕する野望に気づいた原田甲斐。そして伊達兵部も酒井に危惧を抱き、忠清の密書を世に晒す。窮地に陥った忠清は強引な手を講じようとしていた。
伊達政宗の孫の綱宗は驕奢が過ぎて隠居に追い込まれる。後継を望んだ伊達宗勝は幕府の権力者酒井忠清と結んで野望を果たそうとするが、家老の原田甲斐が立ち塞がる。
黒田家重鎮の栗山大膳は、藩主長政が危惧して廃嫡を決意した忠之を擁護して藩主に就任する。しかし忠之は奇矯な性格が収まらず、諫言する大膳と対立を深めていく。
前田利光改め利常は、幕府の容喙をかわして藩を運営する。長男の光高は若くして急死し残された子綱紀は3歳。利常は英才教育を施して、藩の継承に力を尽くす。
洗濯女として前田家に採用されたお千世は利家の子利光を産む。数多くの正妻の子がいる中、嫡子利長はまだ幼い利光に非凡を見出し、三代目を継がせる決意をする。
本多正純の策謀に嵌まり、福島正則は50万石の知行から4万5千石に大減封となる。そして嫡男の忠勝が暗殺されると、智謀をかけて本多正純と戦うことを決意する。
宮本武蔵は侍大将を夢見るが、乱世は収まり活躍する場所はない。決闘に勝ち続け、新陰流を受け継いだ、柳生兵庫介利巌と対決して名を挙げようと、尾張へと向う。