小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

番外 戦国(戦国武将編)編で取り上げなかった本たち

 日本の歴史の中で、明らかに異なる様相を見せた戦国時代。家格や世襲など「分限」を重んじる時代から、下剋上による能力主義の時代に移り、個人が際立つ活躍を見せます。そんな時代を映す歴史小説は近年かなり増加し、そして同じ人物でも様々な光の当て方によって違う人物像を造形しています。

 今回取り上げた作品の中で特に感銘を受けたのは、「叛鬼」と「覇道の槍」。関東と京洛で、応仁の乱以降「私のアタマ」で空白だった時代を埋めてくれました。

 

nmukkun.hatenablog.com

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 今回も私の「嗜好」から選びましたが、同じ武将でも違う作品も多くあり、また間に合わなかった作品もあり。参考までに迷った作品を以下に羅列させて頂きます。

 

津軽為信  津軽の髭殿       岩井 三四二 (2023)

南部信直  南部は沈まず      近衛 龍春  (2012)       

伊達政宗  伊達政宗        山岡 荘八  (1973)

・長野業政  業政駈ける       火坂 雅志  (2010) 

北条早雲  早雲の軍配者      富樫 倫太郎 (2010)

       北条早雲(青雲飛翔篇,悪人覚醒篇,相模侵攻篇,明鏡止水篇,疾風怒濤篇)

                   富樫 倫太郎 (2013~2018)

上杉謙信  上杉かぶき衆      火坂 雅志  (2009) 

       謙信の軍配者      富樫倫太郎 (2011)

上杉景虎  上杉三郎景虎      近衛 龍春  (2001)

武田信玄  武田信玄        新田 次郎  (1973)

       信玄の狗        楠木 誠一郎 (2010)

       哄う合戦屋・奔る合戦屋・翔ける合戦屋 北沢 秋(2009~2012)  

山本勘助  風林火山        井上 靖   (1955)

       信玄の軍配者      富樫 倫太郎 (2010)

武田勝頼  武田勝頼        新田 次郎  (1980)

       武田家滅亡       伊東 潤   (2007)

・真田一族  真田三代        火坂 雅志  (2011) 

今川義元  戦国幻野 新・今川記  皆川 博子  (1995)

斎藤道三  ふたり道三       宮本 昌孝  (2003)

加賀一向一揆  仁王        赤神 諒   (2021) 

*「魂の沃野」で描かれた加賀一向一揆の「終焉の」物語です。

 

浅井長政  華麗なる地平線     笹沢 左保  (1982)

松永久秀  乱世、夢幻の如し    津本 陽   (1992)

宇喜多直家 涅槃          垣根 涼介  (2021) 

       梟の系譜(宇喜多四代) 岡田 一文  (2012)

宇喜多秀家 備前物語        津本 陽   (1997)

毛利元就  毛利元就        山岡 荘八  (1964)

       山霧 毛利元就の妻   永井 路子  (1992)

尼子経久  謀聖尼子経久伝(青雲の章、風雲の章、瑞雲の章、雷雲の章)

                   武内 涼   (2023)

*戦国武将「残された大物」。取り上げたかったけど間に合いませんでした。

 

・長曾我部信親  友よ        赤神 諒   (2023)

・長曾我部盛親  長宗我部最後の戦い 近衛 龍春  (2015)

・大友一族  大友二階崩れ      赤神 諒   (2018)

       大友の聖将       赤神 諒   (2018)

       大友落月記       赤神 諒   (2018)

       立花三将伝       赤神 諒   (2020)

大友宗麟  王の挽歌        遠藤 周作  (1992)

       王国燃ゆ 小説大友宗麟 赤瀬川 隼  (1987)

島津義弘  衝天の剣・回天の剣   天野 純希  (2016)

 

 戦国時代では、今世紀に入って新たな世代の作家が進出して、多数の作品を上梓するようになりました。岩井三四二、近衛龍春、富樫倫太郎、天野純希、鳴神響一、武内涼、赤神諒(創作が早すぎる 💦 )。他にもたくさんいて名前を挙げたらきりがありませんが、皆さんここ10年で、旺盛な活動量で発表し、まだまだ増殖しそうです。

 

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 「戦国武将編」北から南まで駆け足で紹介しましたが、この後戦国が終焉へと向かう「三英傑編」も控えています。ただし次は一息入れて、司馬遼太郎と同じく今年生誕100周年を迎えた「巨匠」池波正太郎の作品をくくります。

 題して「世のを照らす20選」。

 司馬と同級生でお互いの自宅を行き来するほどの仲でしたが、異なった視点から生み出された作品は、時に思いもよらない形で現代のメディアに顔を出すこともあります。

 そんな「古くて新しい」池波正太郎の作品を、戦国時代から幕末までの期間で、取り上げていきます。