小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

番外 中世(鎌倉~室町)編で取り上げなかった本たち

 武士の時代に入り、血なまぐさい物語が増えました。中でも古典の名著「平家物語」と「太平記」の時代でもあり、関連小説が増えています。

 平安の「王朝三部作」から鎌倉にかけて、今年(2023年1月)亡くなられた永井路子の作品にはお世話になりました。若い時は女流作家の書く小説が苦手で今1つ頭に入ってこなかったのですが、年を重ねて再読すると「胸にしみる」印象を持ち、新鮮な気持ちで読むことができました。

  *元祖「歴女」、永井路子さん(NHK

 

 今回も前回(古代編)と同じく私の「嗜好」で選びましたが、参考までに迷った作品を以下に羅列させて頂きます。(文化、宗教は別ジャンルの予定なので外しています)

 

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平清盛   新・平家物語   吉川 英治  (1955)

       平家物語     森村 誠一  (1998)

       宮尾本平家物語  宮尾 登美子 (2004)

平重衡   平家慕情     中津 文彦  (1999)

源頼朝   源頼朝      吉川 英治  (1941)

       源頼朝      山岡 荘八  (1960)

       源頼朝      咲村 観   (1986)

       修羅の都     伊東 潤   (2021)

源義経   遮那王伝説    三田 誠広  (1998)

       義経       宮尾 登美子 (2004)

       義経の龍虎    風野 真知雄 (2004)

源義仲   木曽義仲     山田 智彦  (1999)

・弁慶ほか  君の名残を    朝倉 卓弥  (2004)

  *タイムスリップ物のファンタジーですが、歴史小説としても読ませます。

 

北条政子  夜叉の都     伊東 潤   (2021)

北条義時  我、鎌倉にて天運を待つ 高橋 直樹(2021)

源実朝   実朝の首     葉室 麟   (2007)

・曾我兄弟       天皇の刺客(曾我兄弟の密命)    高橋 直樹 (2006) 

後鳥羽上皇 小説後鳥羽院 新島守よ隠岐の海の  綱田 紀美子(1995)

北条時宗  蒙古来る     海音寺 潮五郎(1954)

       執権北条時宗   咲村 観   (1985)

足利尊氏  新太平記     山岡 荘八  (1962)

       私本太平記    吉川 英治  (1962)

       足利尊氏     童門 冬二  (1994)

       極楽征夷大将軍  垣根 涼介  (2023)

 

新田義貞  新田義貞     新田 次郎  (1978)

       義貞の旗     安部 龍太郎 (2015)

楠木正成  楠木正成     北方 謙三  (2000)

       軍神の血脈    高田 崇史  (2013)

赤松円心  悪党の裔     北方 謙三  (1992)

佐々木道誉 道誉なり     北方 謙三  (1995)

日野富子  銀の館      永井 路子       (1980)

       地と炎の京(私本・応仁の乱)  朝松 健(2020)

畠山義就  龍虎の生贄 驍将・畠山義就  濱田 浩一郎(2019)

 

 そして「北方太平記」。ハードボイルド作家が歴史小説に足を踏み入れた作品群は、従来の作品と同様に強烈な「漢」を描いていきます。今回ブログでは若者が非業の死を遂げる「破軍の星」と「武王の門」の2作品に絞りましたが、他の作品も傑作が揃っています。

 北方作品は今後も登場しますが、中国編の「水滸伝シリーズ」や三国志は大長編のためこちらのブログでは収まりきれず(得意の)「スルー」することになりそうです(^^)

  *現代の「文士」、北方謙三さん(毎日新聞より)

 

 今回の中世編では、私の中で新たな発見がありました。自分の知らないことを改めて小説で教えてもらい、感じ入ることはいくつも。その中でも特に、鎌倉時代末期の津軽地方を描いた「蝦夷太平記」。そして室町時代における赤松一族の盛衰を描いた「悪党の戦旗」は印象に強く残りました。

 

nmukkun.hatenablog.com

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 次回からは「戦国(戦国武将編)20選」になります。但し初回は「序章」として、増殖する戦国時代を舞台とした歴史小説を、ブログで取り上げる作品中心に日本地図に落として、地理的に把握してもらえればと思っています。