武士の時代に入り、血なまぐさい物語が増えました。中でも古典の名著「平家物語」と「太平記」の時代でもあり、関連小説が増えています。
平安の「王朝三部作」から鎌倉にかけて、今年(2023年1月)亡くなられた永井路子の作品にはお世話になりました。若い時は女流作家の書く小説が苦手で今1つ頭に入ってこなかったのですが、年を重ねて再読すると「胸にしみる」印象を持ち、新鮮な気持ちで読むことができました。
今回も前回(古代編)と同じく私の「嗜好」で選びましたが、参考までに迷った作品を以下に羅列させて頂きます。(文化、宗教は別ジャンルの予定なので外しています)
平家物語 森村 誠一 (1998)
宮尾本平家物語 宮尾 登美子 (2004)
・平重衡 平家慕情 中津 文彦 (1999)
源頼朝 山岡 荘八 (1960)
源頼朝 咲村 観 (1986)
修羅の都 伊東 潤 (2021)
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義経 宮尾 登美子 (2004)
義経の龍虎 風野 真知雄 (2004)
・弁慶ほか 君の名残を 朝倉 卓弥 (2004)
*タイムスリップ物のファンタジーですが、歴史小説としても読ませます。
・北条政子 夜叉の都 伊東 潤 (2021)
・北条義時 我、鎌倉にて天運を待つ 高橋 直樹(2021)
・源実朝 実朝の首 葉室 麟 (2007)
・曾我兄弟 天皇の刺客(曾我兄弟の密命) 高橋 直樹 (2006)
・後鳥羽上皇 小説後鳥羽院 新島守よ隠岐の海の 綱田 紀美子(1995)
・北条時宗 蒙古来る 海音寺 潮五郎(1954)
執権北条時宗 咲村 観 (1985)
私本太平記 吉川 英治 (1962)
足利尊氏 童門 冬二 (1994)
極楽征夷大将軍 垣根 涼介 (2023)
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義貞の旗 安部 龍太郎 (2015)
軍神の血脈 高田 崇史 (2013)
・赤松円心 悪党の裔 北方 謙三 (1992)
・佐々木道誉 道誉なり 北方 謙三 (1995)
・日野富子 銀の館 永井 路子 (1980)
地と炎の京(私本・応仁の乱) 朝松 健(2020)
そして「北方太平記」。ハードボイルド作家が歴史小説に足を踏み入れた作品群は、従来の作品と同様に強烈な「漢」を描いていきます。今回ブログでは若者が非業の死を遂げる「破軍の星」と「武王の門」の2作品に絞りましたが、他の作品も傑作が揃っています。
北方作品は今後も登場しますが、中国編の「水滸伝シリーズ」や三国志は大長編のためこちらのブログでは収まりきれず(得意の)「スルー」することになりそうです(^^)
今回の中世編では、私の中で新たな発見がありました。自分の知らないことを改めて小説で教えてもらい、感じ入ることはいくつも。その中でも特に、鎌倉時代末期の津軽地方を描いた「蝦夷太平記」。そして室町時代における赤松一族の盛衰を描いた「悪党の戦旗」は印象に強く残りました。
次回からは「戦国(戦国武将編)20選」になります。但し初回は「序章」として、増殖する戦国時代を舞台とした歴史小説を、ブログで取り上げる作品中心に日本地図に落として、地理的に把握してもらえればと思っています。