今週のお題「買いそろえたもの」
中学に入って買いそろえた「シャーロック・ホームズ」全集とエラリー・クイーンの「国名シリーズ」。あの時の感動が私の読書遍歴へと繋がり、現在のブログへと通じています。
そして大学生になったら、マンガを大人買いするようになりました。学生街にある古本屋（当時はブックオフはありませんでした）で「ゴルゴ１３」や「こち亀」などを買い漁り、両方とも１巻から８０巻くらいまで揃えました。社会人になってからも独身時代は全１０巻ほどのマンガをまとめて買っては一気読みすることを結構繰り返していましたが、そんな生活もマンガ喫茶の興隆と結婚によってお別れとなりました。
＊結構マンガもお世話になりました。
買いそろえると言えば、ちょうど３０年ほど前の今頃、初めての転勤で実家から離れて１人暮らしを始める時に、生活用品を買いそろえたことを思い出します。食器等は家で使っていたのを拝借しましたが、買いそろえたのを思い出すと様々。
テレビ、ビデオ、ロッカーダンス、姿見、ソファーベッド、ゴミ箱、掃除機、布団、テーブル、コタツ、突っ張り棒などから、冷蔵庫、レンジ、ナベ、フライパン、ケトル、ボウル、ザル、さいばし、移動スチール、食器棚、天ぷら鍋、オイルポット（！）などの台所用品まで。
買い物は結構楽しく、会社の同僚が買い物を手伝ってくれたのも懐かしい思い出です。ちなみに炊飯器は私が生れる前に使っていた、当時で既に製造から３０年は経過していた東芝製「二層式」の炊飯器が実家にしまってあったのを取り出して、それからおよそ１０年後に壊れるまで重宝していました。
＊これが美味しく炊けました！ 単純構造でもあり、故障知らずで大分使い込みました。
自炊もマメに、天ぷらやフライも結構作り「固めるテンプル」も大分お世話になりました。おかげで独身生活も長くなりましたが、買いそろえた生活用品は次第に１つ１つ力尽きていきます。
テレビは１０年経過した辺りで、視聴していたときに「ボン！」と音がして画面が真っ赤になり大往生。そして冷蔵庫やレンジは結婚まで使いましたが、ナベやフライパンなどと共に、まるで「１２回戦をフルに戦ったボクサー」のように疲れ果てた姿となって成仏を遂げました。
それでも３０年経った今でも、当時購入した品物がまだ１つだけ残っています。それは掛け時計。
電気式の、当時は高級な時計もありましたが、色々と物入りが重なったために、取りあえずと思って単三電池１本で動く時計を、２０００円に満たない金額で買ったことを覚えています。秒針が１秒ごとに「カチッ、カチッ」と動く時計は、時に眠れない時には耳障りになることもありましたが、初めての１人暮らしで淋しいときも、若い頃で仕事に追いまくられて徹夜していた時も、じっと時を刻んでくれました。
仕事に人間関係に色々と疲れて、深夜にボーと時計を眺めている時に、ちょうど電池が切れて秒針が止まった時がありました。その瞬間を偶然見ることができて、なぜか得した気分になって気分が収まった時もありました。
３０年前に取りあえずと思って買った掛け時計でしたが、その後１２回に渡る引っ越しにも付き合ってもらい、１人が２人になって、笑っている時も、喧嘩した時も、落ち込んだ時も、相変わらず時を刻んでくれています。
そしてその時計を見ると、３０年前に一緒に買いそろえた品物たちとともに、私がこの３０年移り変わった住居や、仕事や生活のあれこれを思い出させてくれます。
