小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

【コラム】 1票の重みと言うけれど・・・・

1 「1票の重み」はわかりますが・・・・

 民主主義は投票により民衆の代理人を選任し、選出された政治家はその民衆の付託を裏付けに政治を遂行します。この民主主義の基本である普通選挙制の権利を獲得するために、昔から多くの民衆たちが血を流しての闘争を繰り返しました。欧米の市民革命やアメリカの独立戦争、日本でも自由民権運動がありました。

 そして現在、民主主義を標榜していながらその権利が正しく民衆に伝わっていない国、民主主義を蹂躙されている国、そして権利自体が国民に与えられてない国も(あえて国名を出しませんが)存在するのはご承知の通り。そのため日本でも、選挙になると国民は民主主義の権利をありがたく受けとめて遂行し、これが将来形骸化しないようにしなければいけません。

     



2 そうはいってもどこへ投票すればいいのやら・・・・

 ・・・・と一応は思っていますが、そのことを踏まえた上で、果たして本当に1票がそれほど重いものなのか、今回の参議院選挙では特に感じています。

 私の選挙区の話ですが、与党の候補者は6年前「野党統一候補」として与党の候補者を破った人物。それが今回は自民党に鞍替えして、そのまま党公認の候補者として立候補しています。医者の資格もあり「日本の病気を治す」と前回は言っていましたが、果たして病人はどこにいったのやら。

 対して野党第一党の候補者は、子供8人を抱えて、子育て世代の代表として訴えています。「子供を生めば生むほど生活が大変になるのは、おかしいと思いませんか!」と演説していますが、私はそれがおかしいとは思わないし、個人的な事情を余り国政選挙に持ち込んで欲しくないと思っています、

 関西で勢力を増して野党第一党を目指している政党の候補者も、選挙結果は決まっていると思わないで投票して欲しいと言っていますが、それを理由にその候補者に投票しようという気持ちになりません。そしてほかの2人は、訴え自体に共感を抱くことができません。

nmukkun.hatenablog.com

*これでも応援したつもりでしたが・・・・

 

3 折角だから、もう少し建設的な議論をして欲しいのだが・・・・

 今回の選挙の争点が、安全保障から物価上昇となり、それに対して与党含めて各党は、以前も指摘した「バーゲンセール」のような、もっと言えば「他店よりも高い価格の場合はお下げします!」と謳っているチラシのような景気のいい話ばかりで、「財政の裏付けにも踏み込んだ」政策論争にまでは至っていません(共産党はさすがに論理構成をしているが、実現性は疑問)。

 そんな中で1票の格差の問題があり、そして投票率の問題がありますが、果たしてどこまで「1票の平等」が必要なのか。確かに格差が大きいと民主主義として問題が大きく、諸外国でも極力平等にするために、毎回調整を欠かせないとしています。それはそれで重要とは思いますが、これだけ「魅力のないラインナップ」の選挙戦を見せられると、1票の重みの問題も何だか小さな話に思えてしまいます。

nmukkun.hatenablog.com

*与党も与党で、身を切る改革からは遠さかつさっています。

 

4 もっと切実な問題を考えてください!

 一方で、特に国政選挙では地域代表の意味合いもあり、都道府県や市町村などの行政区分がある以上、多少の差異が生じるのは当然だと私は思っています。それよりも、行政区域によって、例えば財政赤字団体のように市民とは関係のないところで赤字を発生し、それによって行政サービスが他の地域と比べて著しく差が出る「格差」の方がよほど問題だと思っています

 JR北海道のように、経営条件が明らかに他の地域に比べて劣る地域を任されたにも関わらず、経済効率性が劣るからと職員の労働環境が悪化し、赤字路線が次々と廃止になっていくのを見ると、そこに住んでいる市民の皆さんはどう思うのか。外国基地が1つの県に集中している「不平等」に対して今後どのように対処していくのか。行政区分別に問題がある中で、果たして選挙区における「1票の平等」をどこまで優先すべきなのか、疑問に思ってしまいます。

 民主主義が発展すると衆愚政治の問題が必ず発生する、と看破したのは吉田茂ですが、果たして10年先、20年先を見据えた政治家が現在存在するのか、甚だ疑問に思います。

 ・・・・さて、今回の選挙、どうしよう?

    *「見識のある」頑固オヤジが少なくなりました。