江戸時代を、まず武断政治から文治政治への流れを描き、その後貨幣経済の浸透による財政破綻と、幕末に至る各改革の様子を、幕府と地方に分けて、取り上げさせていただきました。
武家政権は鎌倉時代から続いていますが、戦国編はともかくとして中世(鎌倉~室町)編と比べても、「血生臭い」話は随分と減りました。社会の矛盾ははらんでいますが、徳川家康が築いた幕府が、先の鎌倉、室町と比べて支配体制が微細に行き届いていたのかと思います。その中での「士農工商」の階級社会はそれなりの矛盾を生み出し、時代小説の格好の舞台ともなりました。
今回は「政策」を主題とした作品が多かったかと思います。その中で取り上げなかった本をいくつか、ここで羅列させて頂きます。
・お江 乱紋 永井 路子 (1974)
美友いくさ 請田 玲子 (2008)
お江の方と春日局 植松三十里 (2010)
・宮本武藏 宮本武藏 吉川 英治 (1939)
・柳生一族 柳生但馬守 八切 止夫 (1978)
柳生兵庫助 津本 陽 (1989)
柳生十兵衛 峰 隆一郎 (1994)
・玉川兄弟 江戸上水ものがたり 杉本 苑子 (1974)
火宅の女-春日局 平岩 弓杖 (1988)
・天草四郎 天草の死戦 (人間の剣) 森村 誠一 (2001)
・松平信綱 知恵伊豆と呼ばれた男 中村 彰彦 (2005)
*保科正之と、どちらを取り上げるか迷いました。
・前田綱紀 百万石の留守居役シリーズ 上田 秀人 (2021)
・新井白石 勘定吟味役異聞シリーズ 上田 秀人 (2009)
峠の群像 堺屋 太一 (1982)
・徳川吉宗 大わらんじの男 津本 陽 (1995)
小説徳川吉宗 童門 冬二 (1993)
奥右筆秘帳シリーズ 上田 秀人 (2013)
林蔵の貌 北方 謙三 (1994)
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達成の人 二宮金次郎早春録 植松三十里 (2009)
・江川太郎左衛門 英龍伝 佐々木 譲 (2018)
・中浜方次郎 ジョン・マン 山本 一カ (2015)
*上田秀人さん(角川春樹事務所)。当初は歯科医と作家の二刀流でしたが、今は作家に専念しています。「百万石の留守居役」「勘定吟味役異聞」「奥右筆秘帳」の各シリーズは時代小説とも歴史小説とも取れる作品です(取り上げたかった・・・・・)
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日本の歴史を追ってきた本シリーズも、いよいよ佳境に入ってきました。次回からは「近代(幕末~昭和)編」に突入します。
幕末は徳川幕府に殉じた幕臣を中心に、そして明治以降は「元勲」に焦点を当てて、「この国のかたち」を築き、そして敗戦へ至る過程をくくっていきます。
よろしければ、一押しを <m(__)m>