小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

番外 近世(江戸時代編)で取り上げなかった本たち

 

 江戸時代を、まず武断政治から文治政治への流れを描き、その後貨幣経済の浸透による財政破綻と、幕末に至る各改革の様子を、幕府と地方に分けて、取り上げさせていただきました。

 武家政権鎌倉時代から続いていますが、戦国編はともかくとして中世(鎌倉~室町)編と比べても、「血生臭い」話は随分と減りました。社会の矛盾ははらんでいますが、徳川家康が築いた幕府が、先の鎌倉、室町と比べて支配体制が微細に行き届いていたのかと思います。その中での「士農工商」の階級社会はそれなりの矛盾を生み出し、時代小説の格好の舞台ともなりました。

 今回は「政策」を主題とした作品が多かったかと思います。その中で取り上げなかった本をいくつか、ここで羅列させて頂きます。

 

 

 

・お江     乱紋             永井 路子 (1974)

        美友いくさ          請田 玲子 (2008)

        お江の方と春日局       植松三十里 (2010)

千姫     千姫 おんなの城          植松三十里 (2011)

・宮本武藏   宮本武藏           吉川 英治 (1939)

・柳生一族   柳生但馬守          八切 止夫 (1978)

        柳生兵庫助          津本 陽  (1989)

        柳生十兵衛          峰 隆一郎 (1994)

・玉川兄弟   江戸上水ものがたり      杉本 苑子 (1974)

徳川家光   徳川家光           山岡 荘八 (1976)

春日局    春日局            杉本 苑子 (1970)

        火宅の女-春日局         平岩 弓杖 (1988)

原田甲斐   樅ノ木は残った        山本周五郎 (1958)

天草四郎   天草の死戦 (人間の剣)      森村 誠一 (2001)

松平信綱   知恵伊豆と呼ばれた男     中村 彰彦 (2005)

 保科正之と、どちらを取り上げるか迷いました。

 

前田綱紀   百万石の留守居役シリーズ   上田 秀人 (2021)

徳川綱吉   最悪の将軍          朝井まかて (2016)

新井白石   勘定吟味役異聞シリーズ    上田 秀人 (2009)

忠臣蔵    吉良忠臣蔵          森村 誠一 (1988)

        峠の群像           堺屋 太一 (1982)

        不忠臣蔵           井上ひさし (1985)

        堀部安兵衛          池波正太郎 (1967)

徳川吉宗   大わらんじの男        津本 陽  (1995)

        小説徳川吉宗         童門 冬二 (1993)

        奥右筆秘帳シリーズ      上田 秀人 (2013)

間宮林蔵   小説 間宮林蔵         吉村 昭  (1985)

        林蔵の貌           北方 謙三 (1994)

伊能忠敬   四千万歩の男         井上ひさし (1989)

 

二宮金次郎  小説二宮金次郎        童門 冬二 (1990)

        達成の人 二宮金次郎早春録     植松三十里 (2009)

江川太郎左衛門  英龍伝          佐々木 譲 (2018)

和宮     天璋院和宮         植松三十里 (2008)

・中浜方次郎  ジョン・マン         山本 一カ  (2015)

 

  

*上田秀人さん(角川春樹事務所)。当初は歯科医と作家の二刀流でしたが、今は作家に専念しています。「百万石の留守居役」「勘定吟味役異聞」「奥右筆秘帳」の各シリーズは時代小説とも歴史小説とも取れる作品です(取り上げたかった・・・・・)

 

 

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 日本の歴史を追ってきた本シリーズも、いよいよ佳境に入ってきました。次回からは「近代(幕末~昭和)編」に突入します。

 幕末は徳川幕府に殉じた幕臣を中心に、そして明治以降は「元勲」に焦点を当てて、「この国のかたち」を築き、そして敗戦へ至る過程をくくっていきます。

 

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