小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

「いまなら。」奈良へ行こう! PART1

 コロナ禍の行動制限もなくなり、久しぶりに旅行したいねと気分が一致したわてら夫婦。暑いのは苦手なわたしと紫外線が苦手な配偶者は、紅葉の時期に旅行に行こうとなりました。

 ではどこへ? 私は昨年ブログで取り上げた「好きな日本の国宝10選」を作成した時に、奈良へ行きたくなりました。京都は配偶者が好きで、また行きやすいこともあり何度もお邪魔していますが、奈良は修学旅行以来パッタリ。会社員でお休みは三泊四日程度のため、スケジュール的にも行きづらかったことも、今まで敬遠してきた理由になっていました。

 そんな気持ちを配偶者に伝えると、配偶者は「シカが見たい」とぽつり。黒光りするGも手づかみできる配偶者ですが、毛皮系(?)の動物は、幼い時の亡きがらを見たトラウマがあるようで苦手。それでも「ワイルドライフ」のような動物系の番組は良く見ていて、以前シカのツノを切る作業を見て、興味を持った様子でした(興味を持つきっかけがよくワカラんが)。

 まだ全国割が発表する前に予約した交通機関とホテルでしたが、高速バスよりも安い(?)LCCで仙台から関西空港までひとっ飛びしてから、電車を乗り継いで奈良へと辿り着きました。ホテルでは「いまなら。」キャンペーンで宿泊料金は割引となり、また支払った料金とほぼ同じくらいの地域クーポンを頂いたので実質的にはタダ? のような錯覚も受けて申し訳ないほど。初日はこれでもう夕方になるので、ホテルに近い興福寺へ。念願の「イケメン」阿修羅像を肇とする国宝の数々を見て、心を洗われる気持ちになりました。

    *興福寺阿修羅像(こちらは奈良新聞から)

 

 翌日の天気予報は雨。そのため雨が降る前にシカさんに会いに行きました。「しかせんべい」を買ったとたんグイグイとシカの群れに攻められる私と、そんな私の姿を見て腹を抱えて笑う配偶者。でも配偶者に「しかせんべい」を与えると、恐る恐るとシカさんにあげて、やっとこさ記念撮影! 固まる笑顔でなぜか勝利のVサイン(昭和!)のポーズを向けながらも、明らかに腰が引けているがわかり、昨今のベストショットとなりました(^^) 

   

 *肖像権の侵害にあたるため、表情はお見せできませんので、付き合ってもらったシカさんでご勘弁。

 次の日は予報とおりの雨模様。まずは配偶者の希望で、安倍元総理遭難の地に赴きました。政治的イデオロギーも信仰のカケラもない配偶者ですが、今年一番とも言える事件の現場は確認したいらしく、雨の中その場所に寄らせて頂きました。表示は「お花やお供えなどは、個人へのお気持ちとともにお持ち帰りください」のみ。私たちも写メをとることもせずに、現在の政治の混乱を思いつつ、故人に対して祈りを捧げてきました。

 雨もあり、時間がかかり道も不自由と思われる室生寺は断念して、急遽橿原神宮に変更。初代神武天皇を御祭神とするこの神社は、皇族の方が参拝するニュースでもよく見かけるもの。広い境内を玉砂利で敷き詰めた清廉な雰囲気は、伊勢神宮にも通じるものを感じます。しかも当日は皇室の行事では最重要の1つとも言える新嘗祭の日でもあり、橿原神宮でも近くの農家の方が収穫物を持ち寄って雰囲気を盛り上げていました。

 そしてもう1つ。神武天皇が東征した際に大和のここ橿原まで導いたとされる八咫烏(ヤタガラス)は、足が三本ある神獣で、蹴鞠上達を祈願する人の信仰となり、ひいては日本サッカー協会のエンブレムになったいわれがあります。ヤタガラスの本尊は熊野神社にありますが、こちら神武天皇を祭神とする橿原神宮も「縁続き」と勝手に判断。境内にサッカー色は皆無でしたが、当日夜に行われる日本対ドイツの戦に思いを巡らして必勝祈願(正直「できれば引き分けに・・・・」とちょっと弱気)をしてきました。

 

   

 *紅葉が美しく、奥はもやが立ちこめた橿原神宮北の鳥居

 

 そして法隆寺へ。広い敷地には外人観光客と修学旅行客であふれかえり、予想外の混雑。そんな中で目指すは「百済観音像」一直線。中学生の時は何の感動も受けなかったこの像は、見れば見るほど心を奪われて、時が経つのも忘れました。

     百済観音像(ウィキペディアより)

 

 (ちょっと間を空けて、次回PART2へとつづく)