小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

苦しい時の・・・・

 私の配偶者は神社詣が趣味である。時間が空けば近くの神社に行って拝んでいる。そして週末には私を運転手にして、普段行けない神社にも行くのをせがむ。日本は八百万(やおよろず)の神がまします場所だが、特定の場所は設けず、のべつまくなしに神社に行こうとする。

 「結婚前から神社にお参りはよくしていたの?」運転しながら問う私。

 「全然。どうしてだと思う?」意味ありげな視線を助手席から送る配偶者。

 脳内にアラームが鳴り響く。 踏めば地雷が爆発する危険な予感を感じて、このクエスチョンをカレーにスルーして「あっ!ガードレールが危ない」などと取り繕って運転に専念する私(^_^;

 

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 配偶者が最近お気に入りなのが秋保(あきう)神社。古くは西暦808年、坂上田村麻呂蝦夷征伐で戦勝祈願をして成就した神社。その後もいくつかの霊験あらたかな効果を発揮したとして現在に至っている。

 最近では地元仙台出身の羽生結弦がこの神社で金メダルを祈り成就したことで有名になり、先の平昌オリンピックでは、羽生結弦の金メダルを祈るファンが大挙して幟(のぼり)を立てて祈願した。

 

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 まず神社の近くに行くと、たくさんの幟が目に入る。「勝負の神」と大書された右側には祈願の内容。左側には祈願した人や団体名が書かれている。個人のささやかな希望もあれば会社の商売繁盛祈願もある。

 また甲子園や全国大会での有名校による学校・部活名も数多く見受けられる。そして地元楽天球団やベガルタ仙台の選手による幟もちらほら。なおこの幟は、記名入り一流(幟の数え方の単位です)6,000円で神社のホームページから申し込みできます。 

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          (羽生結弦の金メダル獲得もさりげなく掲示しています)

 

 左右の幟に挟まれながら参道を進み、拝殿へ。そして二礼、二拍手、一礼。

 祈り言葉は「祓え給い、清め給え、 神 かむ ながら守り給い、 幸 さきわ え給え」などが正式と言われているが、祈り言葉も含めて「愛情と感謝」を自分の言葉で祈るのが1番でこだわりは無いそう。小市民のわれらは少ないお賽銭でたくさんの願いごとをいつも祈る。

 

 秋保神社を詣でた後は、車で5㎞ほど足を伸ばして慈眼寺に向かう。始めて行った時は、庭が手入れされた立派なお寺を思っていたが、後から住職が、奈良の金峯山寺で荒行の千日回峰や、断食、断水、不眠、不臥を9日間続けて生命の危険もある四無行などを成就した高名な「塩沼亮潤大阿闍梨」と知った(NHKでも放送された)。

 いつ行っても僧侶が庭園の掃除をしていて、とても綺麗な庭を保っている。そして歩いていると必ずお辞儀をして頂き、自然な対応の中にも修行の厳しさが感じられる。

 

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        (綺麗に手入れされた庭園の奥に本堂があります)
 

  こちらでは願いを一心に祈る。

 

 2カ所を回って心が洗われた気持ちになり、帰路につく私たち。

  「お参りすると、自分の心が落ち着くのよね」 助手席から穏やかな声が聞こえてきた。