小説を 勝手にくくって 20選!

ジャンルで分けた20選の感想をつづります。

       書評を中心に、時たま日常を語り社会問題に意見します。ネタばれは極力気をつけます。        

「あさが来た」と清原果耶

今週のお題「雨の日の過ごし方」 

 雨が降ると、数少ない趣味の散歩(5月1日の記事参照)も制限されて、ちょっとがっかり。

 昔はテレビっ子(死語)で、天気など関係なく1日中テレビをつけっぱなしにしていたほど。バラエティには腹を抱えて笑い、ドラマも各曜日、観るべきものは決まっていた。ところが、今はすっかりご無沙汰。社会問題を怖れて突っ込みきれないバラエティに、コンプライアンスと個人情報から問題に切り込めない情報番組。そして表面をなぞるようなドラマ。こんな小言を言い出すのも、年を取った証拠なのか・・・・

 最近感銘を受けたドラマは「あさが来た」までさかのぼってしまう。2015年秋からの半年クールで放映されたドラマは、ディーン・フジオカが演じる五代友厚の人気もあり、社会現象になるほどの話題を呼んだ。

 私は最初、幕末からのストーリーや、主人公が相撲をするなどの前宣伝でゲンナリとしていたが、途中から観て見事にハマってしまった。そのため雨の日でブログにも疲れると、時折録画したブルーレイを取り出して、好きなシーンを繰り返し観てしまう。

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 ドラマの魅力は役者の演技はもちろんだが、隅々まで計算され尽くした脚本が見事なこと。波瑠が演じる主人公のあさと、その姉でしっかりものの宮﨑あおいが演じるはつ。同じように立ち塞がる人生の分岐点で2人がどう決断して、その決断がどう転んだのかは、人生でよくある「もしもあの時別の選択をしていたら」を想像するかのように見事なコントラストを描く。夫や義父・義母の設定もあさとはつの2人で見事に使い分けをして、ダブル・ヒロインの役割を果たしてストーリーを2倍楽しめる。 

 細かい「小道具」も見事。あさが言い過ぎて口をつまむシーンや、夫で遊び人、玉木宏が演じる新次郎が出かけるときに手荷物をくるくると回して歩く姿は、娘や近所の子供にも伝染して、観ている者のツボに嵌まってしまう(このドラマのおかげで、玉木宏がシリアスな役を演じても、未だに遊び人に見えてしまうww)。

 ちなみに新次郎は、嬉しいことがあると雨が降る「雨男」の設定。

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 最初にあさが夫や義父から認められる、借金取りや借金を依頼するシーン。言うことを聞かない炭鉱夫に対して、新次郎の「おなごなりのやり方で」との助言から、相撲で皆の心を掴むシーン。炭鉱が爆発して窮地に陥った時、その犯人に対する義父(近藤正臣が演じる)の対応。見事と思うところは数あるが、私の1番のお気に入りは、あさと父今井忠興とのからみ。

 

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       ついに娘あさを認める父忠興            その言葉を聞いて涙ぐむあさ


 結婚前は口うるさいだけの演じ方で、結婚してからは放送で月1回くらいしか登場しない父忠興だが、会う度にあさの能力に感心していく。そして最後にあさが「女子の大学校」設立に尽力する際、病の床で莫大な土地を寄贈するシーンは感涙もの。番組当初からの伏線が実った瞬間で、私もやられました(「テレビ観て泣いているの?」と配偶者にからかわれて、最後には実家に帰る、帰らないと騒ぐほどの大ゲンカに発展したww)。

 今回始まったNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の主役清原果耶は、「あさが来た」では新次郎に恋心を抱き、そして恋心を抱かれた番頭と結婚する役割。当時は14歳頃だが、転落していくはつの身の回りの世話をしたり、新次郎の妾を希望するなどと、難しい役柄だったが、見事に演じきった(なんせもう1人の身の回りの世話役が友近だったからねww)。

 「おかえりモネ」も雨を予測する気象予報士の物語。ストーリーがどう転ぶかはこれからだが、地元宮城県を舞台としていることもあり、今後に期待です。

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        新次郎に「お妾さんでも」と打ち明けるふゆ役の清原果耶(当時14歳 !

 

お ま け

 清原果耶について「透明感のある女優」と表現されている記事をよく見る。確かにその通りだが、では「透明感のある女優」の対義語(反対語)は何だろうと、ふと疑問に思った。

 「透明感のない女優」        これらはちょっと・・・・

 「透明感がなくなった女優」 ブー! これはNG(炎上を招くww)。

 「存在感のある女優」 ピンポーン! これならばOKかな?

 でもそう考えると「透明感のある女優」=「存在感のない女優」となってしまう・・・・